忘却バッテリーに登場する藤堂葵。
見た目はヤンチャですが、シニアリーグの野球経験者でかなりの実力の持ち主。
でも、イップスを発症し野球を辞めてしまった過去を持ちます。
そんな藤堂が小手指高校に入学したことでまた野球を始め、なんとイップスを克服します！
本記事では、藤堂葵がどうしてイップスを克服できたのか、その理由と過去にいったい何があったのかを解説します。
忘却バッテリー藤堂葵の過去
#05 より
— 『忘却バッテリー』公式＠TVアニメ好評放送中！ (@boukyakubattery) May 14, 2024
「謝んな。おめーが楽になりてぇだけだろ。
『結果』は変わんねぇんだ。謝んなよ。意味ねぇから」#忘却バッテリー #忘却珍プレー好プレー集 pic.twitter.com/HCYF3gLaKf
藤堂葵はどんな過去を持っているのでしょうか。
早速みていきましょう。
大泉シニアに所属していた
藤堂は大泉シニアに中学時代所属していました。
背番号は6、守備は遊撃手（ショート）。
どんな球もフルスイングで柵越えさせるほどの強肩の持ち主で、味方ならいいが敵にはしたくないタイプ。
当時は4番が良いと思ったこともあったのですが、チームの先輩から一番多く打席に立てるし、誰にも荒らされていない真っさらなボックスに立てるってのは良いぞと言われてから、自分がトップバッターに相応しいと思うようになります。
大泉シニアはチームメイトたちの仲も良く、藤堂はこの人たちとでなければ野球を続けられないとすら思っていました。
「俺が大泉シニアを優勝させます！」「みんなで帝徳に行きましょう！」なんて言っても先輩たちから笑って許してもらえるくらい可愛がられ、野球の才能もあったのです。
順調に力をつけ楽しく野球をしていた藤堂ですが、ある日を境に野球を楽しめなくなってしまいます。
宝谷シニア戦で清峰・要バッテリーに負ける
暴投してしまった宝谷シニアとの試合。
守備だけではなく打席でも藤堂は清峰・要バッテリーに打ちのめされます。
どんな球もフルスイングで柵越えさせるほどの力を持つ藤堂が一球もバットに掠めることすら叶わず三振に打ち取られたのです。
清峰の球を打てなかった悔しさを感じながらも藤堂が清峰・要バッテリーに感じたのは「あ、こいつらプロ行く」でした。
そして自分が一番じゃなかったという絶望もじわじわと広がっていきました。
それほどに清峰のコントロールと要のリードが素晴らしかったということですね。
エラーを起こした後から一塁への送球が出来なくなる
それは、名門宝谷シニアとの試合で起こります。
6回裏の二死一・三塁の場面で捕球は完璧だったもののボールへの指のかかりに嫌な予感が。
それは的中し一塁送球出来ず暴投してしまったのです。
それが直接的な原因ではないものの大泉優勢の流れを変えてしまうきっかけになり勝負は負けてしまいました。
事実は変わらないのに負けた責任から逃れたくて「自分のせいで負けた」と謝罪してしまいます。
先輩やチームメイトは誰も藤堂を責めることはなく、お前のせいじゃないよと言ってくれますがその言葉すらも「言わせてしまった…」と藤堂の心を苦しめました。
この出来事は、感情型で動く藤堂にとってはかなりのショックでこの後から一塁送球しようとすると手元が狂うようになってしまいました。
キャッチボールも外野からの送球も問題なく、唯一遊撃手から一塁への送球ができない状態。
練習はかなりしたものの改善の兆しは見られませんでした。
精神的にだいぶ参ってしまったことがこの描写から見て取れますね。
自責の念とイップスの発症で野球を辞める
やがて、大泉シニアを去り野球も辞め、グラブをゴミ箱に捨てテレビやパソコン、DVDプレイヤーなど全て壊し野球や清峰・要バッテリーが目に入らないようにした藤堂。
暇を持て余し過ぎて喧嘩ばかりの毎日を送りますが、喧嘩ばかりしても、悔いも恐怖も痛みも何もあの日のエラーは上書きはできません。
それどころか、毎晩毎晩エラーした日のことを夢に見てうなされる辛い日々を過ごします。
寝るために、そして体力が衰えることは嫌だと感じていたため、藤堂は野球を辞めた後も走り込みを続け下半身を鍛えていました。
どれほど鍛えていたのかといえば、疲れ果てて気絶するように玄関で倒れ「やっと寝れた…」と思えるくらいです。
帝徳高校からA推薦をもらっていましたがその場では答えを出さず、結果的には推薦を蹴ってしまいます。
野球部のない都立にさえ行けば野球にまつわること全部忘れられるはずと思い込もうとした藤堂は小手指高校への入学を決めたのです。
藤堂葵がイップスを克服できた理由は？
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#07「面白いやつら」
イップスのため、ポジションの変更を申し出る藤堂。似た経験をした圭の言葉に動かされ、改めて送球の練習をするが、やはりうまく投げられない。そんな藤堂に、葉流火が厳しいひと言をぶつけてしまい…!? pic.twitter.com/MJmvPQgqM9
試合でエラーをしてしまったこと、清峰・要バッテリーを前に歯が立たなかったこと、そしてイップスを発症してしまったことで一度は野球を辞めた藤堂。
わざと野球部のない都立高校を選んだ藤堂がどのようにしてイップスを改善したのか見てみましょう。
小手指高校で再会した要圭のアドバイス
小手指高校に入学した藤堂は、野球部がないはずの学校のグラウンドからバットでボールを弾く音を聞いて「ここって野球部ないはずじゃ…？」と思いながらも音のする方に足を伸ばします。
そして、そこで目にしたのは自分が野球を辞めるきっかけともなった清峰・要バッテリーの姿。
しかも、要圭は記憶喪失だと知って驚愕してしまいます。
何も覚えていない要圭から「一緒にやる？」と聞かれた藤堂は、最初こそ断固として断っていましたが、ある日清峰の熱に負け（若干圧があったというか、強制だった気もしなくはないですが）新設された野球部に入部することに。
野球を辞めた時、最初こそゴミ箱に捨てたものの結局捨てられず何重にも箱を重ね封印していたグラブを探し出し丁寧にワックスをかけた藤堂。
翌日、同じく清峰・要バッテリーに負けたこと、そして自身のフィジカルでは野球をし続けるのは困難だと野球を辞めてしまった千早とともにキャッチボールをしてみるとやっぱり野球は楽しいという気持ちが湧いてきます。
ただ野球をしているだけなら楽しかった藤堂ですが、帝徳との練習試合後に要から「打倒・帝徳」という言葉を聞いた時、本当に帝徳に勝ちたいなら遊撃手は交代したほうがいいと提言し、自分がイップスであることを告白します。
しかし、そこで要圭が一言「ノーバンが無理ならワンバンで投げるのはどうか」と提案。
最初こそ、草野球じゃないんだからと言っていた藤堂ですが、遊撃手から一塁への送球ができる可能性が1％でもあるならやると決断。
さらに、清峰の「遊撃手は藤堂だろ。変える気はない」と言われたことと、持ち前の運動神経の良さでなんとワンバン送球をたった3日で習得してしまいます。
チームメイトの山田太郎の存在
最初こそ、ワンバン送球のコントロールがうまくいかなった藤堂ですが、チームメイトの山田が捕球を名乗り出て練習していくうちにだんだんとコントロールができるようになっていきます。
山田の人柄が「絶対捕ってくれる」という安心感につながり体のこわばりも取れたことが、またうまく送球できなかったらという不安感や緊張感を取り除いたのです。
イップス発症時は一塁への送球率はゼロだった藤堂ですが、山田のおかげもあり練習の時点で4割まで回復させることに成功します。
藤堂自身はまだまだ納得がいっていない様子でしたが、このまま練習すれば試合でもどうにか頑張れるかもしれないと希望を見出していました。
感情でプレーをするタイプの藤堂には精神的なことで発症する確率が高いイップスの治療に、チームメイトの存在は大きかったのでしょうね。
みんなの存在が藤堂の精神衛生をフラットに保ってくれていたのでしょう。
夏の公式戦でイップスを克服
ワンバン送球を習得してから迎えた初めての夏の公式戦。
初出場にも関わらず、順調に勝ち進んでいた小手指高校。
もちろん藤堂は、守備だけでなく打撃でもその力を遺憾なく発揮していましたが、シニア時代の先輩が在籍する星明高校と対戦した時、送球難があるから遊撃手を狙えという指示が相手チーム内にでます。
しかし、藤堂はワンバン送球でなんなく相手チームをアウトに打ち取ります。
この時、藤堂のワンバン送球は観客や相手チームに衝撃を与え、当時のチームメイトだった高須は、藤堂がイップスを克服できたことに感激していました。
敵チームとはいえ藤堂の才能をかい、可愛がっていた後輩であることに変わりはなかったのですね。
迎えた4試合目は因縁の帝徳高校。
藤堂と同じ一年にして帝徳のレギュラーで4番の国都に逆転ホームランを打たれてしまった小手指高校。
次に迎えたバッターは小里。
ワンバン送球ではどう頑張っても小里をアウトに打ち取ることは難しいくらい、脚の速い選手。
国都のホームランに続き小里にも三遊間を抜けるほどのヒットを打たれますが、それを見事キャッチしたのが遊撃手を守っていた藤堂です。
藤堂はそこから一塁への送球フォームに入りますが、また暴投したらどうしよう…ワンバンか？いやそれだと小里をアウトに打ち取れないと自分との葛藤を繰り広げていました。
そのとき、山田の「藤堂くん、僕が捕るよ！！」という声が聞こえ、また、これ以上帝徳に点を取らせたくないという気持ちから自然とノーバン送球をしていました。
暴投することなく一塁へなんなく届き、結果小里をアウトに打ち取ることに成功します。
これまでの練習や日常での山田との信頼関係があったからこそ出来たことなのかもしれません。
帝徳レギュラーも狙えるほどの実力を持つ藤堂ですが、小手指高校野球部のみんなとの日常が救いとなり過去の自分を許せたことがイップスの克服に繋がったのです。
まとめ:藤堂はイップスを発症して野球を辞めたもののチームメイト山田のおかげで克服
今回は、藤堂の過去とイップスを克服できた理由について解説しました。
- 藤堂は大泉シニアに所属していた野球経験者
- 感情でプレイをするタイプでどんな球もフルスイングで柵越えさせるパワーの持ち主
- 宝谷シニアとの試合でエラーを起こし清峰・要バッテリーに負ける
- 試合後から一塁へ送球しようとするとうまく体が動かなくなるイップスを発症
- イップスとエラーに責任を感じて野球を辞める
- 野球の穴を埋めるように毎日喧嘩に明け暮れた
- 野球部のない小手指高校に進学し清峰・要バッテリーと再会
- 要のアドバイスでワンバン送球を習得
- チームメイトの山田を信頼した結果夏の帝徳戦でイップスを克服しノーバン送球を成功させる
背も高く見た目は金髪で強面な藤堂ですが、実はとても優しくて素直な人なんだなと筆者は感じました。
イップスを克服した藤堂はこれからますます力をつけていくのでしょうね。
さらに活躍する姿が描かれるのが楽しみですね！
最後までお読みいただきありがとうございました！
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